佐原市の古墳(小野川流域の古墳)
佐原市の東側に広がる台地及び低地にある古墳の見学コ−ス。香取神宮で身を清め、草団子で一服。また、佐原の町並みを散策して、土産物屋や駄菓子屋を冷やかしてみよう。ちょっとした旅行気分。
*バスの本数が少ない。無料レンタサイクル(佐原駅北口)を利用すると便利(佐原市商工観光課0478-54-1111)。
利根川支流の小野川下流域には古墳が少なく、見るべきものとしては低地にある6世紀後半に造られた全長90mの前方後円墳、仁井宿浅間神社古墳などである。台地上には又見古墳など数基確認されている。
JR佐原駅から徒歩20分、千葉交通バス利用の場合は佐原駅前から小見川行き(3本/日)に乗車し、仁井宿で下車。バス停からは浅間神社を目指し、徒歩約1分。JR成田線の線路際にある。全長90mの前方後円墳。標高3mの低地に立地する。(P. WC. なし)
後円部の墳頂に神社が造られ、そのために地形が変わり、墳丘の美しさが消えてしまったのは残念。
仁井宿浅間神社古墳(浅間古墳) 前方後円墳◆所在地 佐原市佐原イ◆全長90m◆方位 ほぼW◆前方部幅22m 高さ2.6m◆後円部径32m 高さ4.8m◆埋葬施設 不明◆出土品 埴輪(円筒)◆備考 1984年試掘・測量調査
仁井宿浅間神社古墳墳丘実測図
浅間神社古墳から又見古墳には佐原高校へ出て、バスを利用する方法があるが、バスの本数が少ないので約20分歩く。バス停又見の三叉路を旧道に入って約400m行くと又見神社。神社に向かって右手に石室がある。神社建設の時に大部分が削平され、墳形もよく分からない。築造時期は7世紀代。横穴式石室は黒雲母片岩製。(P. WC. なし)
又見神社
神社社殿の脇に石室の石材だけがポツンと残り、古墳の盛り土は削られ、その形もわからない。しかし、石室がどんなものであったかを知りたい方には最適ともいえる。古墳が身ぐるみはがされた感じで、心が痛む。
又見古墳の石室
又見古墳 不明◆7世紀◆所在地 佐原市香取字又見1480◆規模 不明◆埋葬施設 箱型横穴式石室◆長さ1.85m 幅1.3m〜1.35m 高さ1.1〜1.25m◆出土品 不明◆備考 又見神社拡張と社殿再建時に主体部が露出した。市指定史跡
●香取神宮 古くから武神として信仰を集めている。本殿は、元禄13年(1700)に江戸幕府によって造営された。三間社流造としては最大級。各部は桃山様式を忠実に受け継いでいるほか慶長期の社殿建築の手法も取り入れられている。本殿、楼門は国の重要文化財。付設して宝物館(0478−57−3211、無休、300円)があり、ここには径29.5cmの海獣葡萄鏡(国宝)が展示されている。
香取神宮
●神道山古墳群 香取神宮前駐車場から県道253号をJR香取駅方向に向う。1kmで県道と交差する。その先の台地上の古墳群である。全長47mの前方後円墳と円墳11基からなる(市指定)。自家用車の場合にお勧め。ただし、荒れているので、心の準備も必要。
神道山古墳
●大利根博物館 「利根川の自然と歴史」「千葉県の農業」をテ−マとし、農業、漁業の生活資料を展示した博物館。0478−56−0101、月曜休館、無料。
大利根博物館
●水生植物園 大利根博物館に隣接。6月のアヤメ祭りは多くの人でにぎわう。水郷への入り口。サッパ舟も浮かぶ。0478−56−0411。料金はシーズンによって異なる。 ●佐原の町並み 小野川沿いに江戸時代商業都市として発展した町並み。日本地図を作成したことで知られる伊能忠敬の旧宅もこの一角。正文堂書店、小堀屋本店など県指定建造物も多い。これらを利用した土産屋、喫茶店も並ぶ。山車会館で佐原の祭りの雰囲気を知ることができる。 ●伊能忠敬と記念館 伊能忠敬(1745〜1818)は、江戸後期日本全土を実地踏査し、日本で初めての実測図「大日本沿海輿地全図」を作成したことで知られる。 伊能忠敬記念館は、彼の偉業をたたえ、没後180年にあたる1998年5月に開館。測量図、遺書、遺品が保存、展示されている。彼の苦労を測量器具などを通して知ることができる。 旧宅は、忠敬が設計して、寛政5年(1793)に造り酒屋の倉庫を改造して建てられたもの(国指定)。
伊能忠敬旧宅
●小堀屋本店(そば) 県指定建造物を利用した店舗。旅の案内書にも度々載った老舗。時間帯によっては並ぶことも覚悟。日本で唯一という「くろきりそば」が有名。0478−52−4128、水曜定休。
●スズメ焼き 小魚を串に刺して味付けしたもの。NTTと通りをはさんだ向かいの麻生屋支店。0478−52−3571、無休。 ●ワカサギのいかだ焼き その名はワカサギを串刺しにして、並べて焼いたもので、その形がいかだに似ていることに由来する。いかだ焼き正上 0478−54−1642、無休。
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