長柄町の古墳(徳増横穴群)
平成4年新聞紙上で、長柄町横穴群徳増支群から五重搭の線刻画発見の報が大々的に報道された。古墳は、前方後円墳ばかりではないことを教えてくれる横穴探訪コース。
*バスの本数も少ないので、事前にバス会社(千葉中央バス0475−22−3357、小湊バス0475−23−2211)へ確認すること。車の利用をお勧めする。
房総に丘陵の斜面に穴を掘って墓室とした横穴墓が登場する時期は、およそ6世紀後半。千葉県内には約4,000基。富津市の湊川流域、鋸南町から和田町にかけての安房地区、そして一宮川・夷隅川流域にかけての長生・夷隅地区が、特に密集する地域として知られている。長柄町横穴群は、7世紀末〜8世紀初頭に造られたものと推定され、25群324基からなる大規模な横穴群であり、長柄町南部に分布する。この地方の横穴は、羨道と玄室の高さが著しく差のある「高壇式」と呼ばれる独特のものである。
JR茂原駅バス停南口3番から郡境行きに乗車し、徳増バス停下車。ほかに大津倉行き、山田行きも利用できる。 徳増バス停下車後、県道13号線を25mほど茂原方面に戻って左に(通り向側にパーマ屋)入る。三叉路に出たら右に折れ、次の三叉路を左に折れ、切り通しを通り過ぎて、道が切れた所の前方山腹が徳増支群(第1〜第4小支群)。 第1〜第9小支群があり、第4小支群の第13号横穴墓の壁面に、五重塔の線刻壁画や多くの線刻模様が描かれている。(P. あり、WC. なし)
長柄横穴群
現在、道が切れた前方に「国指定史跡、長柄横穴群」の標識があり、その上が第4小支群。横穴群は林の中にあり、見学路も仮設のため足元に注意。崩落にも注意。 横穴には、入ることのできるものもありますが、文化財ですので、大切にしてください。 ところで、線刻は、新聞によると、前から書かれているのが分かっていたが、再調査して当時のものと確認されたそうだ。ほかの古墳も再調査すると新事実が次々と判明するのでは。
徳増第13号墓 横穴墓◆7世紀後半◆所在地 長柄町徳増字源六840他◆埋葬施設 玄室長さ2.6m 玄室幅3.5m 玄室高さ1.7m 平面形、奥壁3.25m 左側壁2.45m 前壁3.2m◆出土品 須恵器◆備考 奥壁・両側壁に線刻画
●笠森寺 長南町の天台宗・別格大本山笠森寺は、延暦3年(784)伝教大師最澄が、クスノキの霊木で十一面観音菩薩を刻んで安置、開基された古刹。現存する観音堂は、長元元年(1028)に建てられた「四方懸造り」で国指定重要文化財。0475−46−0536
笠森寺
●総南博物館 町を見下ろす山の上、大多喜城本丸跡に建てられた城の形をした博物館。房総の城郭についての歴史資料や刀剣や武具を展示。0470−82−3007、月曜日休館、無料。
高壇式横穴墓
「長南町の古墳」のページへ