北総台地のほぼ中央に位置する芝山町は,今から1万年をさかのぼる旧石器時代から現在まで,多くの人々が生活し,数多くの遺跡が残されてきました。なかでも古墳時代の豪族のお墓であった古墳は約500基を数え,県内でも集中するところとして知られています。また,葬送の埴輪の発見された殿塚古墳,姫塚古墳は,千葉県はいうに及ばず,全国的にも著名です。 芝山町立芝山古墳・はにわ博物館は,これらの古墳,埴輪を大きなテーマとして昭和63年5月1日に開館しました。 博物館では,これまで様々な事業を実施してきましたが,その一つとして,実地踏査を通じて県内の古墳を知ろうという目的で『房総の古墳を歩く』を企画したところ,友の会会員の方々の賛同を得て,実に23回に及ぶ見学会を実施することができました。これを形として残しておこうということで,古墳見学ガイドブックの作成を計画し,ここに刊行の運びとなりました。 本書は,これを手がかりとしてだれでも古墳に行けるということを念頭に,友の会の有志の方々が執筆したものです。本書が古墳見学に当たって参考になれば望外の喜びとするところです。 早いもので,本博物館も10年を経ようとしています。これは多くの方々のご尽力の賜物であります。また,芝山町立芝山古墳・はにわ博物館友の会,本書編集委員の方々には本ガイドブック作成ばかりでなく博物館事業の実施に当たり様々なご援助を賜わりました。心より感謝申し上げます。
平成10年2月3日 芝山町立芝山古墳・はにわ博物館 館 長 大 矢 早 利
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