はじめに


 北総台地のほぼ中央に位置する芝山町は,今から1万年をさかのぼる旧石器時代から現在まで,多くの人々が生活し,数多くの遺跡が残されてきました。なかでも古墳時代の豪族のお墓であった古墳は約500基を数え,県内でも集中するところとして知られています。また,葬送の埴輪の発見された殿塚古墳,姫塚古墳は,千葉県はいうに及ばず,全国的にも著名です。
 芝山町立芝山古墳・はにわ博物館は,これらの古墳,埴輪を大きなテーマとして昭和63年5月1日に開館しました。
 博物館では,これまで様々な事業を実施してきましたが,その一つとして,実地踏査を通じて県内の古墳を知ろうという目的で『房総の古墳を歩く』を企画したところ,友の会会員の方々の賛同を得て,実に23回に及ぶ見学会を実施することができました。これを形として残しておこうということで,古墳見学ガイドブックの作成を計画し,ここに刊行の運びとなりました。
 本書は,これを手がかりとしてだれでも古墳に行けるということを念頭に,友の会の有志の方々が執筆したものです。本書が古墳見学に当たって参考になれば望外の喜びとするところです。
 早いもので,本博物館も10年を経ようとしています。これは多くの方々のご尽力の賜物であります。また,芝山町立芝山古墳・はにわ博物館友の会,本書編集委員の方々には本ガイドブック作成ばかりでなく博物館事業の実施に当たり様々なご援助を賜わりました。心より感謝申し上げます。

平成10年2月3日                   
芝山町立芝山古墳・はにわ博物館
館 長   大 矢  早 利


凡 例

  1. この本は,千葉県内の代表的な古墳を選び芝山町立芝山古墳・はにわ博物館友の会の会員が踏査した結果を踏まえて,付近の見所や感想なども加え,古墳見学コースとして実際に歩けるように紹介しました。
  2. 古代にあった房総の11の国(国造)の支配領域ごとに大別し,北から時計回り,現在の河川の流域ごとに,あるいは市町村ごとに記述しました。
  3. この本をたよりに歩けるよう,友の会会員の目の高さで見たガイドブックを心がけ,できるだけ詳しく道順・コースを紹介したつもりですが,分かりにくいところは,地図を参照してください。
  4. コースは,地図の上に太い線で示してあり,参考となる目印も記入しました。
  5. 本文の徒歩の分数は,平坦な道を1分間に50m歩く速さで計算しました。
  6. 本文中の地名の読み方は,角川書店『日本地名大辞典12 千葉県』によりました。
  7. 古墳DATAは山川出版『前方後円墳集成』(東北・関東編)のデータを基にし,円墳・方墳などは他の報告書・解説書などを参考としました。
  8. 本文の写真,図面などは,報告書から転載したり,県内の教育委員会や文化財センターから提供,掲載許可をいただいたものもあります。特別な場合を除き,巻末に一括して出典,提供先を記しました。

「印波国の古墳」のページへ

はじめに・凡例


印波国の古墳

我孫子市の古墳
沼南町の古墳
栄町の古墳
成田市の古墳
佐倉市の古墳


下海上国の古墳
神崎町・佐原市西部の古墳
佐原市の古墳
小見川町の古墳
多古町の古墳


武社国の古墳
松尾町・横芝町の古墳
成東町・山武町の古墳
成東町の古墳


伊甚国の古墳
長柄町の古墳
長南町の古墳


長狭国の古墳


阿波国の古墳


須恵国の古墳
富津市の古墳


馬来田国の古墳
君津市久留里の古墳
木更津市の古墳
袖ヶ浦市の古墳


上海上国の古墳
市原市姉崎の古墳
市原市国分寺台の古墳


菊麻国
市原市北部の古墳


千葉国の古墳
千葉市の古墳
市川市・松戸市の古墳


あとがき


古墳を歩く前に