HOME > 研究室 > 「AR殿姫」実証実験

「AR殿姫」実証実験 ◎2015年11月8日実施

AR殿姫


index

みんなで体験してみよう!

ARって何だろう?

「AR殿姫」実証実験 詳細説明

■みんなで体験してみよう!

・タブレット端末をマーカーにかざすと、早稲田大学による殿塚古墳・姫塚古墳の発掘調査の写真が表示されます。

・写真と説明文(音声ガイダンスの再生もできます)を切り替えられ、どのような場面か、歴史的な価値があるのかなどを理解できます。

・写真から半自動生成した音楽を聴けます。

■ARって何だろう?

拡張現実(Augmented Reality)とは、現実空間を撮影したカメラ映像に、CGや写真などを重ねて表示する技術です。

マーカー位置

Androidアプリ開発:木更津工業高等専門学校 情報工学科 齋藤研究室 原 利充 君
(現在、豊橋技術科学大学 3年次編入学)

■「AR殿姫」実証実験 詳細説明

 大学を卒業して芝山仁王尊観音教寺に赴任した濱名 徳永 住職(当時27歳) が、「古代への憧れの実現」や、人間性の失われつつある現代社会に対して 「その昔、豊かに輝いていたであろう人間性の再現」を目指して、寺の文化事 業として芝山古墳群に注目しました。
しかし、濱名住職は、考古学が専門ではありませんので、大学の恩師である古江 亮仁 先生(当時41歳)に相談したところ、早稲田大学の滝口 宏 先生(当時46歳)の紹介を受けました。

 こうして、1956年に早稲田大学による発掘調査が開始され、大学の学生のほか、地元の消防団、青年団、婦人会などの団体や、中学・高校生にも動員がかけられました。まさに、町ぐるみで総力を上げて発掘調査に取り組んだのです。

 そのような中、殿塚古墳での石室から数々の副葬品が発見され、特に、姫塚からは40数体にのぼる埴輪が列をなしている状態で出土しました。驚くべきことに、それらの埴輪は、現位置をほぼ完全に保存した状態で発見されるという、極めて稀有な発掘結果が得られました。これは、学術上、非常に価値の高いも のです。

 そして、この発掘調査では、2000点以上の写真が撮影されました。幸いなことに、非常に克明な作業日誌や写真撮影に関する記録が残されていたため、鈴木 徳彦 氏(2015年3月、早稲田大学 大学院修士課程 修了)によって、どの位置で撮影された写真なのかが特定されました。これもまた非常に貴重な歴史的資料といえます。

 つまり「どの位置で撮影した写真であるか」が分かり、しかも「その埴輪や遺物が元々どこにあったのか」が分かるという、類まれな「遺産」が残されているのです。

 本実証実験では、作業日誌や写真記録に基づいて、古墳の周囲にマーカーを設置しています。そのマーカーには写真と説明文を対応づけています。そのため、約60年前に撮影された写真を、現代においてまさにその場で見ることができるのです。
 発掘された遺物の一部は、芝山仁王尊 観音教寺内の芝山はにわ博物館に展示されていますので、博物館にも足を運んで「本物」も是非ごらん下さい。
 また、芝山町立 芝山古墳・はにわ博物館では、九十九里地域の古墳時代の遺物が展示されています。芝山仁王尊のすぐ近くですので、こちらも是非お立ち寄り下さい。

なお、今回は無料でAndroid端末を貸し出しますが、ご自分のAndroid端末にアプリをインストールすることもできます。
現地で体験してみて下さい。
ダウンロードページへ(新しいウィンドウを開きます)

歴史年表ことば辞典

[書籍]房総の古墳を歩く


館報バックナンバー


「AR殿姫」実証調査

学校教育関係者の皆様へ